2ページ目/全3ページ そのまま鳳はズボンのフロントを緩めると、宍戸の下肢を両手で持ち上げるようにし、 開かれた恋人の秘所へ楔を差し入れた。ろくに慣らしていないので、粘膜が引きつれる ような抵抗があったが、鳳はかまわずに腰を激しく使った。 「ひいいいッ! 」 宍戸は、細い悲鳴をあげると、歯を食いしばって堪えていた。鳳が動くたびに、身体が ギシギシと軋み、全身の骨が砕けそうだ。 体のずっと奥地まで刺し貫こうとする鳳のペニスは、どこまでも貪欲に中を進んでいる。 「ああ、もう無理。駄目だ。そんな……。」 もう、それ以上は受け入れられない最奥を突かれている……そう宍戸は思った。 しかし、鳳は、彼の右下肢を肩に担ぐようにし、さらに腰を深く入れてきた。 「うわああああ〜! もう、裂けるッ! 」 宍戸の下腹部は、ギチギチに押し広げられていた。慣らしていない筋肉は硬い。 その部分を無理にこじ開けるようなセックスは辛いだけだった。 今まで、鳳に、こんな乱暴な扱いを受けた事は、一度も無かったように思った。 初めて身体を合わせた時も、痛みでうめいている宍戸の背をずっと優しく撫でてくれた 鳳だったのに、今は、苦痛であげる悲鳴すら聞いてくれない。 「もう、止めッ! 長太郎ッ! 」 頬に涙を溢れさせた宍戸にかまわず、鳳は、ひとしきり激しく腰を揺すると、熱い迸りを 爆発させた。宍戸の温かな粘膜の中で、川の流れのように液体は進み、尻から 溢れ出したモノが澄んだ海の水を白く濁らせた。 「はあ、はあ。まだ……ですよ。宍戸さん。貴方には、俺が必要な事を教えてあげます。 俺と離れたら死んでしまう……そのくらい気持ち良くしてあげます。俺を忘れないように、 身体中で感じさせてあげます。一生、誰にも身体を見せられないくらい印を付けてあげます。」 そう言って、鳳は、宍戸の肩に歯を何度も強く当てた。それから、赤い筋のような噛み跡が 入った箇所を念入りに舌で清めた。 痛みで泣き声をあげる宍戸の口唇へも、その熱い舌を這わせたのだった。 ★ 海で冷えた身体を温めるため、鳳は、宍戸を抱き上げて林の中へ入った。 海の中で、一時間もかけて宍戸をじっくりと抱いた。 前戯が無かったせいで、下腹部が痛むのか彼はずっと泣いていた。しかし、最後は 自分から下肢を絡ませて、腰を妖しく揺すり、海水の中で射精したのだ。 この淫蕩な身体は、自分のためだけのモノだと思いたい。 もし、自分以外の人間が、彼を抱く事があったら。 気が狂うのに違いない。 それほど、彼の事が好きだった。 どうして、宍戸は、そんな自分から離れたいと思うのだろうか? 愛し方が足りないのだろうか? どういう愛し方をしたら、宍戸は満足するのだろうか? 鳳は、意識の朦朧としている宍戸を草の上に寝かせると、濡れた自分の衣服を乱暴に 脱ぎ捨てた。その時に、手に握ったベルトで宍戸の両手を後ろ手に縛った。 きっと、意識が戻った彼は、同じように走って逃げようとするのに違いない。 鳳は、自分にまるで自信が持てなかった。 宍戸に本当に愛されているのか、時々、不安でたまらなくなるのだ。 宍戸に何かしてあげたい。でも、何をすれば良いのか、鳳には、まるでわからなかった。 彼が空腹なら高級レストランでの食事をエスコートしたし、自宅のテニスコートも彼の望む ようにナイター設備にしたし、彼の好きな海外メーカーのラケットを特注して試合の前に プレゼントした……でも、宍戸は喜んではいない。 それは、鳳にも良くわかっていた事だ。伊達に一年の時から、彼を好きだったわけでは無い。 宍戸は、金や物には、全く執着していない。 そんな事で、物事の価値を計る人では無い。 だから、毎日、彼に愛を囁いて、少しでも時間があったら彼とセックスをしたのだった。 抱いている時だけ、宍戸は、自分の方を見てくれている。 彼が、自分だけの物だと実感できる。 それが、独りよがりの錯覚でもだ。 1ページ目へ戻る ![]() ![]() 小説目次ページへ戻る ![]() |